天王星と海王星の見つけ方

 天王星や海王星というと私達のなじみは薄く、アマチュア天文家の持つ天体望遠鏡で見ることができるなんて思いもよらないかもしれませんが、実は存在だけなら以外と簡単に確認することができます。このページを読んで天王星と海王星探しにチャレンジしてみられてはいかがでしょうか。

遠い惑星

遠い天王星と海王星 水星、金星、火星、木星、土星の5つの惑星は明るさが明るくて観測しやすいため、私たちにもなじみが深く、「つるちゃんのプラネタリウム」でもたびたび紹介してきました。また、実際に「見たことあるよ」という方も多いのではないでしょうか。土星軌道の外側には、天王星海王星、という惑星が回っていますが、先の5個の惑星に比べると何かしら忘れられがちです。それというのもこれら3個のの惑星は、先の5個の惑星と比べると太陽からの距離が遠いために明るさが暗く、見つけるのに骨が折れるからです。土星と太陽の距離が9.6天文単位であるのに対して、天王星は19.2天文単位、海王星は30.1天文単位、冥王星にいたっては39.5天文単位も離れています。太陽からの距離が離れるほど太陽から受ける光も弱くなり、惑星の輝きも弱くなってしまいます。

明るさ

 そんな天王星、海王星ですから、肉眼でこれらの惑星を見つけることはかなり難しい話です。明るさの目安は次のとおりです。

  天王星:6等級
  海王星:8等級
  (冥王星:14等級)

天王星は6等級なので、うまくすればどうにか肉眼で見つけることができるかもしれませんが、よほど条件が整わない限り、やはり双眼鏡が必要と思っておいた方が無難です。海王星は肉眼で見ることはできませんが、少し大きめの双眼鏡があれば存在を確認することができます。天体望遠鏡があれば全く問題ないでしょう。なお、準惑星の冥王星はかなり暗いため、アマチュアが簡単に手にすることのできる天体望遠鏡くらいでは歯が立ちません。


天王星と海王星の位置

 天王星や海王星に限らず、暗い天体を見つけるにはその位置を正確につかんでおく必要があります。星図を頼りに明るい星から暗い星へと順にたどりながら、目標の天体に近づいていくようにします。天王星の公転周期は84年、海王星の公転周期は165年と非常に長いので、星座(または背景の恒星)に対する動きは小さなものです。ですから、惑星が星座の境界付近にいる場合は別として、みずがめ座に見えていた天王星が1ヶ月後にはうお座に見えるといったことはありません。ですから天王星や海王星を一度見つければ、位置があまり動かない分、二回目からは比較的簡単に探し出すことができます。

天王星、海王星を観測しよう

 観測といっても、天王星も海王星も地球からの距離が離れているため、視直径(見かけの大きさ)はそれぞれ3.7秒、2.3秒しかありません。木星が20秒であることから考えると、その小ささがわかります。したがって、天王星や海王星を天体望遠鏡で見ても、その表面模様を観測することはできません。しかし、天王星は100倍、海王星は150倍くらいまで倍率を上げると少しだけ円盤像に見えてきて、天王星や海王星が面積を持った天体であることがわかります。

 また、独特な色にも注目してください。天体望遠鏡で見ると青緑色をして見えますが、こんな変わった色をした星は他にはありません。その独特の色は天王星か海王星であるかを確認する有力な手段となります。

 日にちを開けて観測すると、惑星の移動を観測することもできます。双眼鏡で観測する場合、「この星が本当に天王星なのかな?」と自信がもてない時には、その1週間くらいの間隔を開けて移動を観測するようにするとよいでしょう。記憶があいまいで心配な方は、簡単なスケッチを残しておけば万全です。

観測機材のない方は

 天体望遠鏡も双眼鏡も持ってないよ、という方がおられるかもしれませんね。そんな人は近くの天文台や科学館へ出かけてみましょう。うまくすれば天王星や海王星を見せてもらえるかもしれませんよ。トップページからリンク集をたどって、お近くの天文台や科学館をたどって、観望会の日程をチェックしてみてください。

 普段はあまり話題にすることのない天王星と海王星ですが、この機会に観測にチャレンジしてみられてはいかがでしょうか。


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