天王星(てんのうせい)
天体観測家のハーシェルはある夜、ふたご座に奇妙な天体をみつけました。「ちょっと見ると恒星のようだが、恒星にしては大きすぎる。それに光がちらちらとまたたかないのは変だ」と考えたハーシェルは翌晩も観測し、この天体が位置を変える天体で、恒星ではないことを発見しました。はじめは彗星と思われたこの天体も、1年もすると新惑星であることが確認され、天王星と名づけられました。これによって、当時知られていた太陽系は2倍の大きさに広がりました。1781年の出来事です。
天王星も他の惑星と同様に星座の間を移動しますが、この間に恒星の上を通り過ぎる場合があります。この時、恒星が天王星本体にかくされる前に恒星が少し暗くなることから環が発見されました。しかし、土星の環と比べると非常に細くてかすかなものであり、望遠鏡で直接見ることはできません。
天王星の特徴の1つにその自転が変わっている点が挙げられます。どのように変わっているのかといいますと、自転軸が公転軌道面スレスレまで傾いているのです。このため、日本に相当する緯度の観測地からみた天王星の四季は次のようになります。最初の21年間は昼と夜が規則正しくやってきます。次の21年は昼ばかりで夜はきません。そして次の21年は再び昼と夜が繰り返され、最後の21年間は夜ばかりで太陽は昇りません。84年もかかってようやく天王星の1年が終わります。
※「天文ソフトつるちゃんのプラネタリウム for Windows」のフリー版では天王星から見た星空を擬似再現できます。
天王星を見つけるためのポイント ・天王星は6等星くらいの明るさで暗いため、双眼鏡くらいは必要になります。 ・あらかじめ天王星の位置を確認しておきましょう。 ・天体望遠鏡で見た場合は独特の青緑色に見えます。 ・倍率を高いめにすると面積をもった円盤像に見えます。 ・残念ながら像が小さく、表面の様子まではとてもわかりません。 ・双眼鏡の場合は日にちをおいてもう一度観測し、位置の移動を確認すれば間違いありません。 ・慣れてきたら、空が暗い場所で肉眼で見えるか挑戦してみてください。 |