土星の環が消失 2009年8月11日

環が消失する理由

 今年2009年は土星の環が消失する年です。といっても実際に環がなくなってしまうわけではありませんで、環が見えなくなる年というのが正解です。環が見えなくなる理由は二つあります。一つ目は環の真横から太陽光が当たり、環が光らなくなることによって環が見えなくなります。そして二つ目は、環の平面上に地球がやってきて、環を真横から眺める格好になることによります。環の消失は土星の公転周期の半部にあたる約15年の周期で起こります。


環の真横から太陽光が当たる

 8月11日には先に書いた一つ目の理由によって、土星の環が消失します。完全に真横から光が当たるようになるのは12時頃です。太陽が沈まないと環が見えなくなった土星を観測するのは難しいですが、天体望遠鏡を使って、ぜひとも観測していただきたいと思います。

 二つ目の理由による環の消失は9月4日22時に起こります。一回目の消失からこれまでの期間は、光が当たる面の反対側から土星の環を眺めることになります。この期間中は淡いビーズ玉のような光が見えたり、環の明るさが左右非対称に見えたりすることがあります。天体望遠鏡を使って土星を天体観測される際には、この辺にも注意して観測してください。


二回目の環の消失は観測困難

 先にも書きましたが、9月4日22時には二回目の環の消失が起こります。大変残念なことに9月19日が合ですから、土星は太陽に近い位置にあって、実際に土星の環が消失したのを天体観測するのは困難です。したがって、日の入り後の高度が低くて条件は良くありませんが、一回目の環の消失をぜひとも観測しておかなければなりません。

 下の絵は東京での日の入りから45分が経過した西空の様子です。土星の位置は真西方向で高度は10度足らず。相当な悪条件ですが、どうにかがんばって観測してくださいね。これを逃すと、土星の環の消失は15年後まで起こりませんから・・・。

土星が見える位置
土星は日の入り後、低い位置に見える

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