金星が西方最大離角 2014年3月23日

 いきなりですが、ウンチクの話をしましょう。金星の公転周期は225日と、惑星の中では地球の365日に近い日数となっています。このため地球と出会う会合周期は584日と、火星に次いで長くなっています。ですから、金星が太陽から最も離れて見える西方最大離角や東方最大離角が起こる周期も584日と長くなります。

 金星は2014年3月23日に西方最大離角となりますが、前回は2012年8月15日に起こりました。日数差は585日ですから、先に出てきた会合周期とほぼ一致しています。

 最大離角となる頃の金星は、太陽から離れて見やすくなるように思われますが、今年の金星は今ひとつです。下に示した星図は、3月23日の日の出から1時間前のようすですが、金星の高度は13度しかありません。さらに下側の図をみると、この後も金星の高度は全然高くならず、20度超付近で推移することがわかります。

 ここで、1年365.25日を8倍してみると、2922日となります。一方、会合周期の583.92日を5倍すると2920日となり、ほぼ一致します。これは、8年たつと地球と金星の位置関係が、ほとんど同じ状態になることを意味します。したがって8年前の2006年や8年後の2022年も、3月23日前後に西方最大離角となります。しかも金星の高度は全然高くならず、20度超付近で推移します。試しに、このページ下方にある2006年に起こった金星の西方最大離角ページをご覧ください。金星の位置変化を示した図は、2014年の下の図とそっくりですね!
 




日の出時刻に金星が見える位置

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