11月8日は南の一部を除いた地域で、金星が月に隠される金星食が見られます。
金星食といえば、金の年と言われた2012年の8月14日に、良い条件で起こったのが思い出されます。また最近では、条件が悪いながら2019年8月1日にも起こりました。
今回11月8日に見られる金星食は、日中の明るい時間帯に起こります。金星が-4.5等と明るくて、しかも太陽からの離角が46.7度と広いですから、日中でも肉眼で金星を確認できるかもしれません。しかし、金星食を実際に観測するためには、双眼鏡か天体望遠鏡が必要と思っておかれた方が良いでしょう。
東京での潜入開始は13時46分41秒です。月齢3.3という三日月の暗部に隠され始めます。この時は南中に近い位置で起こるにもかかわらず、月の高度は26度と低い目です。
金星は恒星と違って面積がある天体ですから、一瞬で見えなくなるわけではありません。月にジワジワと隠されていき、潜入が終了するのは13時48分48秒です。視直径が28.1秒と大きめですから、東京の場合だと2分ほどかかるのです。
東京ではこの後50分近くが経過した14時37分45秒に出現開始となります。金星はやはりジワジワと現れてきます。2分以上たった14時39分56秒に出現が完了し、金星食が終了します。
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13時40分の位置(黄色い丸)と金星の経路 |
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金星の形 |
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なお、この金星食は九州の大部分と沖縄地方では見ることができず、ニアミスで終わってしまいます。