3月24日は月が金星に大接近します。
東京で19時30分ごろ、西方向の比較的低い位置をご覧ください。月齢2.7の三日月が見えます。月は下側が光っており、上側は地球照でほんのり薄っすらと見えています。金星はその上方へ0.7度の位置にあり、縦に並ぶ格好です。文句なしに美しい光景でしょう。
最も接近するのは21時台前半ですから、時間が経過するほど両天体は接近します。例えば30分後の20時30分なら、0.5度強と間隔が狭くなります。さらに30分後の21時なら0.4度弱ですが、残念ながら地平線下です。逆に星図の30分前となる19時30分なら、1度ちょうどと間隔が開いてしまいます。こんな具合ですから、東京での月没となる20時46分ギリギリまでねばりましょう。
3月24日の接近は、このペアとしては今年最も近づくものです。接近ファンとしては見逃せませんね。
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月の形 |
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今回はさらに、熊本県南部や宮崎県南部よりも南の地域では、金星が月に隠される金星食となります。国内で見られる金星食としては2022年5月27日以来1年ぶりで、夜間に見られるものとしては2012年8月14日以来11年ぶりの現象です。また今年国内で見られる惑星食は、今回の金星食だけしかありません。
金星食を観測できるのは、前半の潜入のみです。金星は視直径が13秒ほどありますから、潜入には時間がかかります。例えば那覇の場合は33秒かかり、北へ行くほど長くなります。天草あたりでは金星の一部だけが隠される接触となります。また日南などでは一部が隠された状態で月没となります。いずれの地域も高度が低いですから、西の方角が地平線まで見渡せるような開けた場所から観測してください。
観測地 | 潜入開始 | 潜入終了 |
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日南 | 21時10分11秒 | − |
鹿児島 | 21時08分59秒 | 21時10分21秒 |
那覇 | 20時56分24秒 | 20時56分57秒 |
鹿児島で見る金星食 |
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那覇の場合 |
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