皆既日食の継続時間地図

地域によって異なる皆既継続時間

 下の絵は、NASAから提供される皆既日食となる継続時間を表した日本のトカラ列島付近の地図です。これによると、最も中心線に近いのは悪石島です。悪石島の皆既日食の継続時間は月縁補正を考えなければ6分25秒で、トカラ列島では最大です。この他、皆既日食の継続時間が6分を超える有人島は諏訪之瀬島、小宝島、中之島です。
皆既日食の継続時間が長い理由

 ここで注意しなければならないのは、中心線から外れるにしたがって、少しの距離を移動しただけで皆既日食の継続時間が大きく違ってくることです。その良い例が屋久島です。屋久島はいちおう島の全域が皆既帯に入っています。島の南端付近では4分ほどの皆既日食の継続時間がありますが、島の北端では1分ほどしかありません。
 
 また、北側の限界線が通る種子島でも同様です。最南端に位置する門倉岬では皆既日食が2分ほど継続しますが、ここからほんの少し北へ移動しただけで、皆既帯から外れてしまいます。南側の限界線が通っている奄美大島も同じです。最北端に位置するアヤマル岬では3分44秒の皆既日食が見られますが、南へ移動するほど急速に皆既継続時間が短くなり、島の中央部よりも南側では皆既日食になりません。

皆既継続時間を表した地図