カタディオプトリック式天体望遠鏡
(かたでぃおぷとりっくしきてんたいぼうえんきょう)
天体望遠鏡の形式のひとつです。主鏡と副鏡、および補正レンズを組み合わせて光を集めます。主鏡の真ん中に光を通すための丸い穴が開いています。
反射式天体望遠鏡と屈折式天体望遠鏡の良いところを取り入れており、反射屈折式天体望遠鏡と呼ばることがあります。カタディオプトリック式の大きな特徴は、鏡筒が非常にコンパクトなことです。
鏡や補正レンズの形状、補正レンズの設置位置などの違いにより、シュミット式、シュミットカセグレン式、マクストフ式、バイザック式といったさまざまな種類に分けられます。
多くの形式では補正レンズが鏡筒の先端部にあるので、鏡筒は密閉されており、筒内気流は発生しません。しかし補正レンズが鏡筒の先端部にない場合、鏡筒内部と外気との温度差があると筒内気流が起きて像が悪化します。ですからこの場合は、観測開始前に30分から90分くらい外気温になじませる時間が必要になります。
強い衝撃を与えると主鏡と副鏡の位置がズレで光軸が狂う場合があります。その場合は光軸調整が必要になりますが、カタディオプトリック式の場合は反射式と比べて調整が難しくなります。
反射式天体望遠鏡に比べて設計や製作に手間がかかることから、カタディオプトリック式天体望遠鏡の方が若干価格は高い目となります。しかし、屈折式天体望遠鏡に比べると大幅に安価なケースが多いようです。
天体望遠鏡の鏡筒の形式も合わせてご覧ください。