ちょうこくしつ座

南の空に高度20度で南中する日時のめやす

10月1日0時、11月1日22時、12月1日20時

ちょうこくしつ座の見え方

ちょうこくしつ座の見え方

ちょうこくしつ座付近の星図

ちょうこくしつ座

彫刻室の部屋の中

 ちょうこくしつ座は彫刻室の中の様子を星座にしたものです。といっても一般の方が彫刻室自体、なかなか想像することができないのではないでしょうか。星座絵では木製の台に置かれた胸像と、大理石の上にノミと木づちが置かれた絵が描かれています。ちょうこくしつ座の設定者であるラカイユによって、他にもちょうこくぐ座(彫刻具座)や、がか座(画架座)といった星座も設定されています。

 ちょうこくしつ座に含まれる星は全て4等星以下です。おまけに全天88星座あるうちで、ちょうこくしつ座の面積は上から36位といいますから、面積は広い方といえます。こんな淡い星々が広い面積にまばらに配置されていても、彫刻室の様子を想像するなんてとても無理でしょう。つかみどころのない星座という点では、南天の星座らしいと言えるかもしれません。

フォーマルハウトの左

 ちょうこくしつ座の位置は、秋のひとつ星として有名なフォーマルハウトのすぐ左側(東側)にありす。フォーマルハウトが南中を少し過ぎた頃、フォーマルハウトよりも左側にある星の少ない領域に注意してください。くじら座のわき腹の下辺りにかけて小さな星が細長くつながっているのがわかるでしようか。南中した頃、彫刻室の胸像やら大理石の台やらは、横向きに倒れた格好をしていますので注意てください。

NGC253NGC253

 ちょうこくしつ座とくじら座の境界あたりには大型の銀河NGC253があります。位置はくじら座のβ星から南下したところ。大型の銀河だけに、双眼鏡があれば存在だけならすぐに見つかります。天体望遠鏡で見ると細長い形がハッキリとわかり、こんなところにこんなに大きな銀河があったのかと驚かされます。

 ちょうこくしつ座とほうおう座の境界あたりには、NGC55という別の大型の銀河もありますが、こちらは高度が低くなるだけに、少し見づらくなります。

銀河の南極

 私たちの銀河系の中心方向はいて座の方向にあることはよく知られていますが、そこから90度離れた方向は銀河の北極と南極になります。このうち銀河の北極はかみのけ座の中にありますが、銀河の南極はちょうこくしつ座の中にあります。具体的にいうと、ちょうこくしつ座α星から北北西へ約3度離れたところです。このため、ちょうこくしつ座の方向は銀河系内の星間物質が少なく、遠くの銀河がたくさん見えます。