6月1日23時、7月1日21時、8月1日19時
7月1日23時、8月1日21時、9月1日19時
へび座(頭部)の見え方 |
へび座(尾部)の見え方 |
へび座(頭部)付近の星図 |
へび座(尾部)付近の星図 |
へび座の星はへびつかい座を取り巻くように小さな星がポツポツとつながっています。しかし、へびの中央部分がへびつかい座に含まれているため、へび座は頭の部分と尾の部分の二つに分断されてしまっています。このように2つに分断された星座が、ひとつの星座名で呼ばれる例は他にありません。実際へび座は、古代バビロニアではへびつかい座と一体の星座でした。なお、へび座はトレミーの48星座の一つです。
星座絵で見ると、へびつかい座のアスクレピオスがへびを持つ姿が描かれています。アスクレピオスはお医者様なのですが、どうしてお医者様がへびを持っているのでしょうか? アスクレピオスの時代、へびは健康のシンボルと考えられていましたので、お医者様のアスクレピオスがへびを持っているのは自然なことなのです。
へび座の星は最も明るいでも3等星ですから、都会の夜空では見つけにくいでしょう。しかし田舎に行くと、へびつかい座を取り巻くへびの形は意外にはっきりと浮かび上がります。まず、へびつかい座が作る大きな五角形のうち、右下にあるε星(3.2等)を見つけます。すぐ近くにへび座のδ星(2.7等)が光っていますからわかりやすいでしょう。そこから右上方向に、μ星、ε星、α星、δ星、β星と、思いのほか星がつながります。特にα星は2.6等と明るいですから目印にしましょう。先端では3個の4等星が三角形を作っており、へびの頭になります。
今度は尾の方を見てみましょう。へびつかい座が作る五角形のうち、左下にあるη星(2.4等)を見つけます。この星から左上方向にへび座の小さな星がξ星、ο星、ν星、η星、θ星と連なっており、へびの尾を想像するのに十分です。
へび座とへびつかい座を合わせて眺めてみると、想像以上に大きなスケールであることがわかります。実際、へび座とへびつかい座の面積をあわせると1585平方度となります。これは、全天で一番大きな星座であるうみへび座の1303平方度を2割以上もしのぎ、広い面積を占めているのですから当然でしょう。
へび座のα星は西側へびの頭部側にある2.6等星です。星名はウヌクアルハイといいますが、これはアラビア語のウヌク・アル・ハイヤからきており、蛇の首を意味します。
へび座の西のはずれ、あるいはてんびん座の北側といった方がいいかもしれません。ここには、ヘルクレス座のM13にも匹敵するM5という球状星団があります。5等星の星と並んでいるので探すのは比較的簡単です。少し大きめの天体望遠鏡で見てみますと、星がびっしりと集まっていることがわかり、その神秘さに心を打たれます。