2019年は1月6日に続いて12月26日にも日食が見られます。1年という短い期間に日食が2度も見られる珍しい年で、東京では1992年以来、27年ぶりのことです。
今回の部分日食では、日本で太陽が大きく欠ける地域はありません。最大食までは日本全国で見ることができますが、一部の地域では太陽が欠けたまま沈むという、日入帯食(または日没帯食)が見られます。
※日食ナビの2019年12月26日 全国で部分日食では、県別の予報など、詳しく解説しています。
この日食はインドネシア方面で見られる金環日食に伴うものです。金環帯が日本列島の本州に平行して走るため、全国的に同じような食分になります。とはいえ、やはり南へ行くほど食分が大きくなり、太陽も大きく欠けます。
NASAより提供される日食図を見ると、日本全国で日食が見られることがわかります。しかし、赤い線が日本列島の中心を南北に走っています。この線よりも東側(右側)では日食の終了を見ることがでまきせん。大雑把にいうと、西日本では日食の終了まで見ることができますが、東日本や北日本では太陽が欠けたまま沈みます。
日食が見える地域 |
提供:NASA
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東京では14時28分に欠け始めます。このとき、太陽の真下からやや右寄りの位置で、月が太陽に接します。太陽の高度は19度と高くありません。時間が経過するとともに、欠ける方向は左下側へ移っていきます。
東京で太陽が最も大きく欠ける最大食は15時36分です。食分は0.39ですから直径の4割ほどが欠けて見え、日食らしさを実感できるでしょう。高度は9度まで下がりますので、南西方向が開けた場所から観測しましょう。
日食が終わるのは16時35分です。太陽の左側よりもやや上側の位置で、月が太陽から離れます。日の入りが16時34分ですから、日食が終了する直前に太陽が沈み、日入帯食となります。
東京で最大食のころ |
東京から見た日食の前半※最大食の時刻を基準に10分間隔でさかのぼる |
後半※最大食の時刻を基準に10分間隔 |
東京で日食が見える位置 |
札幌、仙台、東京、名古屋、金沢、大阪、広島、高知、福岡、鹿児島、那覇における日食データと、欠け方を示しました。観測地による欠け方の違いは、普通の日食よりも小さくなっています。
欠け始めは14時から14時30分過ぎの間で、概ね西の地域ほど早くなっています。
最大食は各地点とも、15時30分から前後6分以内におさまっています。太陽が最も大きく欠けるのは沖縄の那覇で、太陽直径の半分弱が欠けます。他の地点では、北海道の札幌を除くと食分が0.3台ですから、概ね3分の1ほどが欠けて見えます。札幌では0.27と少し小さめで、4分の1ほどが欠けるにとどまります。
終了時刻は16時台です。場所によって日の入り時刻が違いますので、太陽が欠けたまま沈んでしまう地点があります。日の入り時刻を表の右端へ加えておきましたので、参考にしてください。
観測地 欠け方 食分 始まり 最大食 終わり 日の入り 札幌 0.265 14:31:33 15:27:09 16:18:03 16:05 仙台 0.348 14:30:03 15:33:22 16:30:09 16:22 東京 0.389 14:28:14 15:35:30 16:35:11 16:34 名古屋 0.372 14:24:41 15:32:51 16:33:14 16:46 金沢 0.343 14:24:58 15:30:52 16:29:36 16:44 大阪 0.369 14:22:37 15:31:40 16:32:43 16:53 広島 0.347 14:18:00 15:27:43 16:29:23 17:06 高知 0.374 14:19:08 15:30:15 16:32:52 17:04 福岡 0.345 14:14:03 15:25:21 16:28:17 17:17 鹿児島 0.386 14:12:48 15:27:46 16:33:17 17:21 那覇 0.474 14:02:22 15:27:38 16:40:25 17:45
日食の観察は、決して直接肉眼で行わないようにしてください。太陽の強烈な光によって日食網膜症になり、失明する恐れもあります。日食グラスを使うなど、安全に観察しましょう。
次に日本で見られる日食は 2020年6月21日 大きめの部分日食、沖縄では太陽が三日月形にのページで紹介しています。西日本では食分が0.5を超えて、太陽が半分ほど欠けますよ。
※このページのシミュレーション画像は、自作ソフト「つるちゃんのプラネタリウム シェア版」に含まれる「つるちゃんの日食ソフト」プラグイン機能を使い、ΔT=69.2秒を入力して計算したものです。シミュレーション画像内に表示された時刻は概ね5秒以内の精度ですが、稀に30秒ほどずれることがあるかもしれません。 |