7月4日 テンペル第1彗星の位置

 今夜はテンペル第1彗星に向けて14時52分(日本時間)にインパクターが撃ち込まれてから最初の夜です。残念ながらインパクターが撃ち込まれた瞬間を日本から観測することはできませんが、果たして、テンペル第1彗星はどのような姿を見せてくれるのでしょうか。もしかすると、衝突時の衝撃で氷や岩石のかけらが大量に飛び散り、彗星が大増光しているかもしれませんよ。

 今、テンペル第1彗星はおとめ座の中に見えます。何もなければその明るさは10.2等といいますから、見るだけでも天体望遠鏡が必要となります。幸いにして天体望遠鏡をお持ちの方はぜひ彗星へ望遠鏡を向けていただきたいのですが、天体望遠鏡をお持ちでない方も、一度星空をのぞいてみて、「あの辺りでテンペル第1彗星へインパクターが撃ち込まれたのか」と、1億3千万Km離れた彗星に、思いをはせてみるのも楽しいのではないかと思います。

テンペル第1彗星はどこに見える?

 さて、前置きはそれくらいにして、肝心の夜空の方ですが、東京の場合ですと21時くらいには、ちょうど南西の空で高度30度くらいのところにテンペル第1彗星があるはずです。付近で一番明るい星は木星ですから、まずは木星を見つけましょう。マイナス3等級で金色に輝くので、多少の光害がある所からでも、誰が見てもすぐにそれとわかるはずです。

 木星が見つかったら、左方向へ視線を移動しましょう。木星から大きく腕を伸ばしてにぎりこぶし1個半ほど左側に、白色または青白色で輝く美しい1等星が見つかりますが、これがおとめ座スピカです。どこか清純な感じがして、いかにも女性らしい輝きをしています。つるちゃんもウットリ・・・。

7月4日21時 南西の空のようす

 それはともかく、テンペル第1彗星は、このスピカから4度弱ほど離れた左上方向にあります。上の絵では少しゴチャゴチャしてわかりづらいかもしれませんね。そこで、少し拡大した絵も下に用意しておきましたので、テンペル第1彗星のおおよその位置を確認するのに役立ててください。

テンペル第1彗星の位置(拡大図)

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