リゲルはオリオン座の鼓形の一番右下、ちょうどオリオンの足元に位置している1等星です。白色や青白い色をした星が多いオリオン座の中でもリゲルは際立って青白く明るく輝いています。オリオン座の中では最輝星なのですが、α星はベテルギウスに譲る形になっています。リゲルはオリオン座β星です。
星名 | 学名 | 星座 | バイヤー符号 | フラムスティード番号 | 赤経 | 赤緯 | 実視等級 | 絶対等級 | 距離 | スペクトル型 |
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リゲル | Rigel | オリオン座 | β星 | 19番 | 05h14m32s | −08゜12’06” | 0.12等 | −6.99等 | 862光年 | B8 |
リゲルという名はアラビア語のリジル・アル・ジャウザ(巨人の左足)からきています。これはもちろん、勇者オリオンの左足部分に位置していることに由来します。
アラビア語の「j」はエジプトのカイロでは「g」と発音することから、先にでてきたリジルはリグルとなり、リゲルはここからきているのだそうです。
オリオン座にはベテルギウスというもうひとつの1等星があります。リゲルとベテルギウスは、いろいろな意味で対照的な1等星です。
リゲルが青白色であるのに対してベテルギウスは赤色をしており、ひと目見ただけでもその違いがわかります。そこでこの2つの星を源氏と平家に見立て、リゲルを源氏星、ベテルギウスを平家星と呼んでいます。
リゲルはベテルギウスよりもさらに遠い862光年も離れたところにあります。それでいてあんなに明るく輝いているのですから、その凄まじさがわかるというものです。リゲルの表面温度は1万2千度もあって質量は太陽の17倍。大きさも太陽の70倍もあるという青色超巨星です。実に太陽の8万5千倍もの光を放っています。仮に全天で最も明るい恒星であるシリウスの距離まで地球に近づけたとしたら、半月よりも明るく輝くことになります。
リゲルは生まれて数百万年しか経っていない若い星です。しかし、あまりにも明るく輝き過ぎるためにエネルギーの消費も早くて、あと数千万年ほどでリゲルは燃え尽きてしまうのだそうです。太陽があと50億年も輝き続けるのと比べると、その浪費ぶりがおわかりいただけるでしょう。
リゲルはわずかに変光している変光星です。周期は22日から25日で、0.17等から0.22等まで不規則に明るさを変えています。