1月の星空 豪華な冬の星座たち

 年が明けるといよいよ冬も本番を迎え、本格的に寒い季節がやってきます。身もふところも寒くていやになるのは、つるちゃんだけでしょうか。

注)このページの星空の様子は1月15日21時を基準としていますが、下の日時でもほぼ同様の空を見ることができます。また、東京以外でも日本国内であれば、見え方にそれほど違いはありません。

  12月15日23時
   1月 1日22時
   1月15日21時
   1月31日20時
   2月15日19時

西の空

 12月までは、土俵際でどうにか踏みとどまっていた夏の大三角も、今月になるとさすがに沈んで見えなくなってしまいました。かろうじてはくちょう座のデネブだけは北西の地平線スレスレに見えていますが、時間の経過とともに、すぐに見えなくなってしまうでしょう。

 ペガススの四辺形もすっかり西空低くになってしまいました。カシオペア座、アンドロメダ座、くじら座といった、秋を代表する星座も皆、西の空へと大きく傾いてきましたが、秋の星座のしんがりを務めるペルセウス座だけは勇者らしく天高くにドーンと見えています。

1月15日21時 西の空

南の空

 南東から南の空にかけては、豪華な冬の星座がすっかり勢ぞろいしました。冬の星座は明るい星が多くて、1等星が7個もあります。秋の星座の1等星は1つしかなく、寂しい星座が多かっただけに、冬の星座はよけいに豪華に見えます。おまけに、冬の空は星がよく瞬くので、その豪華さが引き立てられているように思います。

 その一方で、南西の空では大きなくじら座がドーンとひかえているのですが、大きな星座である割には明るい星が少なく、東半分(左半分)の空と比べると、非常に寂しい感じがします。

1月15日21時 南の空

おおいぬ座

 全天で一番明るいマイナス1.4等星のシリウスがあるので、おおいぬ座を見つけるのは簡単です。オリオン座の南東方向(この時間なら左下の方向)で白くギラギラと光っており、他のどの星よりも明るい星があれば、それがシリウスです。シリウスは大犬の口の部分にあたりますが、案外形がよく整った星座なので、大犬の姿を容易に想像できます。

 ギリシャ神話でのおおいぬ座は、オリオンが連れて歩いた犬とか、アクタイオン(次のこいぬ座を参照)を食い殺したスパルタ犬だとか、冥土を守る犬のケルベロスだとか、さまざまな説がありますが、はっきりとしません。

こいぬ座

 ギリシャ神話のような猛犬を想像することはできないくらいに、小さくてかわいらしい星座です。主星プロキオンと、その近くにある3等星以外に目につく星はありません。

 月と狩の女神アルテミスによって鹿にされてしまったアクタイオンを、自分のご主人様とは知らずにかみ殺してしまった猟犬のメランポスが、こいぬ座になったのだといわれています。

冬の大三角

 冬の大三角はオリオン座のベテルギウス(赤色)、こいぬ座のプロキオン(黄色)、おおいぬ座のシリウス(白色)で構成されています。このうち最も南に位置するシリウスも、1月になると21時頃の時間帯でも高度を上げてきており、南東の空で見やすくなっています。シリウスは全天で一番明るい恒星で、その明るさはマイナス1.4等にも達し、普通の1等星の6倍も明るいことになります。

 大三角は冬と春と夏にあります。この中では冬の大三角が一番小さいのですが、最も正三角形に近くて均整がとれており、3星の色の対比も見事です。

北の空

 北の空では、北西の空高くにカシオペア座が見えますが、さらに上のペルセウス座付近から流れてきた秋の天の川は、地平線近くにかろうじて見えているはくちょう座のデネブの方向へと、まっ逆さまに流れ落ちていきます。秋の天の川の端にあり、細長くひしゃげた5角形をしたケフェウス座は、30度付近まで高度が下がってきました。

 北東の空からは、北斗七星が縦向きになってのぼってきており、これからの季節は北の空で次第に目立つ存在になってきます。

1月15日21時 北の空

東の空

 東の空の中ほどよりやや上方では、ふたご座が高度をあげてきたのが目に付きます。東の空からは、まだ1月だというのに、早くも春の星座のトップバッターである、かに座が高度30度付近まで昇ってきています。しし座やうみへび座といった春の星座の主軸バッターも顔をのぞかせてきてはいるのですが、じっくり観察するには、まだ少し季節が早いようです。なにしろ、まだ1月ですから。

1月15日21時 東の空

ふたご座

 冬の星座のしんがりはふたご座です。似たような光度をもつカストルポルックスの2つの星が、ふたごの兄弟の頭になります。2列の星の並びから、双子の兄弟の姿を想像するのは簡単です。2つの明るい星のうち、暗い方が兄のカストルで、少しだけ明るい方(約0.4等の差)が弟のポルックスです。ポルックスは普通の恒星ですが、カストルの方は6重星という、かなり変わった星です。

 ギリシャ神話でのふたご座は、大神ゼウスとレダとの間にできた卵から生まれた双子の兄弟です。ふたりがアルゴ船(とも座、ほ座、りゅうこつ座、らしんばん座)に乗り込んで、コルキスへ金の羊(おひつじ座)の毛皮を取り返しに行った武勇伝が伝えられています。

天頂の空

 1月頃に天頂付近に見える星座は、ペルセウス座、ぎょしゃ座、おうし座の3星座です。天の川は、ペルセウス座付近までは比較的見えやすいのですが、ぎょしゃ座付近に入ってくると、急に淡くて見えにくいものとなってしまいます。もし、これが見えるようだと、その観測場所からみた夜空は十分に暗い空だということができると思います。ぎょしゃ座が天高くにやってくるこの時期に、果たして冬の天の川が見えるかどうか、一度試してみてください。

1月15日21時 天頂の空

<恒星の凡例> <星雲・星団の凡例>
大きさにより1等星から6等星までを分類しています。 銀河、散開星団、球状星団、散光星雲、惑星状星雲、超新星残骸などを分類しています。