2月1日23時、3月1日21時、4月1日19時
こいぬ座の見え方 |
こいぬ座付近の星図 |
こいぬ座はアラビア語ではアル・カルブ・アル・アスガルと呼ばれ、小さい方の犬という意味です。これは、おおいぬ座に対して小さいということでしょう。その名のとおり、こいぬ座は1等星プロキオンと3等星のβ星しか目だった星はありません。おおいぬ座と比べると、とても小さな星座です。実際、面積の広さでいうと、88星座のうちで狭いほうから数えて18番目で、183平方度しかありません。
狩人のアクタイオンは猟犬50匹を引き連れて、鹿狩りをしに森へ入っていきました。泉のほとりに来ると、月と狩の女神アルテミスがちょうど入浴をしているところでした。アルテミスはアクタイオンに気づくと、「無礼者め」と言って泉の水をかけました。すると、アクタイオンはたちまち鹿の姿に変わってしまいました。そうとも知らない猟犬たちは主人である鹿に襲いかかり、アクタイオンをかみ殺してしまったのです。この猟犬のうちの1匹、メランポスが星座になったといわれています。
こいぬ座は紀元前1200年頃のフェニキアでは「海の犬座」とよばれていました。トレミーの48星座の一つであるこいぬ座は、メランポスの話以外にも神話が多く伝えられています。オリオンが狩に出る際に連れていた猟犬であるとか、アテネのイカリウス王の愛犬マイラが星座にされた、などです。
こいぬ座の1等星プロキオンは犬の前という意味です。黄色のこの星は、明るい星としては太陽から3番目に近い星であるため、明るく見えています。恒星の中では特に特徴があるわけではなくごく平凡な恒星です。
プロキオンは冬の大三角をつくっている星のひとつです。おおいぬ座のシリウス、そしてオリオン座のベテルギウスとを順に結べば冬の大三角のできあがりです。大三角は春と夏にもありますが、冬の大三角が一番形が整っています。また色の対比の点からも黄、白、赤とそろっていて、一番きれいな三角形ではないかと思います。