惑星が大集合 2002年5月上旬から中旬

 惑星は各々の速さで星座の間を移動していきますが、この時惑星同士が接近して見える場合があります。この現象は毎年のように当たり前に起こっていて、さほど珍しい現象ではありません。

 ところで、人間の肉眼で簡単に見つけることのできる惑星は水星金星火星木星土星の5つです。このうち、特に3つ以上の惑星が集まって見えることを惑星集合と呼んでいます。この5惑星全部が接近して見えるとなると、かなり珍しい現象です。

 今年の5月上旬から下旬にかけては、その5惑星が接近して見えるという現象が見られます。5つもの惑星が同時に天体観測できるだけに、ぜひとも見ておきたい天文現象です。ちなみに、次回の5惑星が接近する惑星集合は2040年の9月で、今回よりも素晴らしい接近となります。「つるぷらが描く珍しい天文現象」の中の惑星集合 2040年を参照してください。


<つるちゃんのお勧めシミュレーション>

惑星の接近の様子を「つるぷら for Javaアプレット」の内惑星の位置でシミュレーションしてみましょう。

  1.惑星を金星に変更
  2.日付を4月25日に変更
  3.他の惑星にチェックを入れる
  4.1日後のボタンを連続して押してください。惑星同士の接近の様子がわかるよ!

(1)5月10日の例

 下の絵は明石の日の入りから40分後の西空の様子です。まだ周囲は少し明るいので、惑星は見づらい点に注意してください。高度が低い順に水星、土星、金星、火星、少し離れて木星が見えています。

 この日と翌日の11日には特に金星と火星が接近しています。朝6時頃にはわずか18分(約3分の1度)まで接近するのですが、残念ながら日本からは見ることができません。両者の光度は金星がマイナス4等、火星は2等ですから、明るさの差はだいぶあります。

 水星は4日に東方最大離角を迎えたばかりで、この時間でも高度が10度もあって、目いっぱい高くなっています。また、4惑星の左下方向には1等星のアルデバランも見えていて、非常ににぎやかな眺めとなっています。日の入り後の西空に注目しましょう!

惑星集合(5月10日の例)

5月10日の太陽系の様子 ここで、「つるちゃんの3D太陽系」フリー版でこの日の太陽系の様子を見て見ましょう。

 地球から見ると、水星、金星、火星、木星、土星が狭い範囲に集まって見えることがおわかりいただけると思います。

(2)5月14日の例

 この日は高度が低い順に水星、土星、火星、金星、木星の順に惑星が並んでいます。この日はこれに加えて、土星のすぐ近くには月齢2の細いまでが見えており、にぎやかさが増しています。月なら誰でもわかるでしょう。惑星を見つけるのに自信がない人でも、月を頼りに惑星を探せば簡単に見つけることができますよ。

惑星集合(5月14日の例)