水星(すいせい)

太陽系の9つの惑星のうちで最も太陽に近い内側の軌道を回る惑星が水星です。太陽に近いだけあって、公転周期は88日しかありませんので、本当に太陽の周りをグルグルとまわっているといった感じです。その反面自転は遅くて59日くらいですから、水星から地球を見ると、「なんとめまぐるしく自転する惑星だろう」と思うかもしれません。

地球の場合では到底考えられない現象が水星ではみられます。水星の自転のため太陽は通常ゆっくりと東から西へ動いていきます。ところが、近日点に近づくと太陽の動きはしだいにゆっくりとなり、ついには東から西への動きを止めてしまいます。そしてその後8日間は逆向きへ動きます。そして近日点を通過すると、再び東から西へと動き始めるのです。これは、水星の自転の角速度より公転の角速度の方が上回るために起こります。自転が遅くかつ、太陽のすぐ近くを回っている水星ならではの現象といえるでしょう。

※「天文ソフトつるちゃんのプラネタリウム for Windows」のフリー版では、一時的に西から東へ動く太陽を擬似再現できます。

水星は内惑星ですから、太陽からある一定の角度以上に離れることはありません。ですから明け方か夕方にしか見ることはできません。特に水星は太陽の近くにいるため、見つけるのが難しい天体のひとつです。地動説で有名な天文学者コペルニクスでさえ、死の床で「私は生涯、水星という天体を見ることがなかった」と嘆いたほどです。つるちゃんも、長く水星を見ることはありませんでしたが、最近ようやくお目にかかることができ、ちょっと感動しました。

水星を見つけるためのポイント

夕方か明け方しか見えない
 ・真夜中に見ても水星を見ることはできません。
 ・日の入り後または日の出前の空が比較的暗い時間帯を逃さないようにします。

視界が開けた場所
 ・夕方でしたら西の空、明け方でしたら東の空が開けた場所を探します。

時期を選ぶ
 ・日の出、または日の入り時の水星と太陽との離角が大きくて、高度が高くなる時期がチャンスです。
 ・好条件となる時期は年により異なります。
 


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