金星を観測しよう 2004年1月〜4月

 最近になって、夕方に西の空を見るとピッカーッ!と光る星が目に付くようになってきましたがこれは金星です。今年の前半は金星を観測するのに絶好のシーズン。そこで、昨年のお約束どおり、金星を観測しようと題した特集記事を作りました。

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男:ほら、あれが金星だよ。
女:わあー。明るくてキレイ!

つる:−−>ほらほら、また始まったで。こいつら!
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金星の星座間での動き

 金星は地球のすぐ内側の軌道を回る惑星ですから、星座間での動きもそれだけ激しくなります。金星は今年の1月にはやぎ座にいますが、その後はみずがめ座→うお座→おひつじ座 と移動していき、4月にはおうし座に入ります。そして5月になると逆方向に移動し始めて、7月頃まではこの状態が続きます。そしてその後は再び、おうし座→ふたご座→かに座 と順方向に移動していきます。

星座間での金星の動き

「つるちゃんのプラネタリウム for Javaアプレット」の中にある「惑星の経路」で金星の経路を調べてみましょう。

宵の明星

 星座間での金星の動きはわかりましたが、それじゃあ金星はいつどこに見えるのでしょう?
 金星は夕方西空に見えるときは「宵の明星」、明け方の東空に見えるときは「明けの明星」と呼ばれていますが、今年の前半は、夕方の西空に見えますので、宵の明星として輝くことになります。その明るさはマイナス4等級ですから、誰が見てもひとめで金星だとわかります。夕方西空でピッカーッと輝く明るい星が合言葉です。とても明るいので、中にはUFOと勘違いする人もいるようですが、みなさんは勘違いしないでくださいね。

金星の見つけ方は、「探そう・・目印/惑星/星雲・星団」の中にある金星の見つけ方を参照してください。

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男:金星のことを英語で何ていうか知ってる?
女:ううん、知らない。
男:ビーナスっていうんだよ。
女:へぇー。

つる:−−>しょうむないことを話題にしやがって・・・。まあ、許したる。
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日の入り1時間後の金星

 日の入り頃だとまだまわりが明るいので金星は簡単に見ることはできませんが、日の入りから1時間も経てば、金星はその輝きを見せつけてくれます。

 下の絵は2004年の日の入り1時間後の金星の位置変化を示しています。1月頃の金星は西空というよりも南西の空に見えます。2月、3月と経つにつれ、金星は次第に高度を上げてきて、3月下旬から4月上旬にかけて最も高度が高くなります。その後は急速に高度を下げていき、6月上旬には観測が難しくなってしまいます。

 また明るさの方は1月上旬にはマイナス4.0等星ですが、その後は次第に明るさを増していき、5月2日にマイナス4.5等星の最大光輝を迎えます。その後は次第に暗くなっていきますが、それでもマイナス4等星くらいの明るさです。

日の入り1時間後の金星の位置

「つるちゃんのプラネタリウム for Javaアプレット」の中にある「内惑星の位置」で日の入り頃の金星の位置を調べてみましょう。

他の天体との接近

 金星は星座間を移動する間に、多くの他の天体と接近します。ここでは2004年前半に金星が接近する天体をまとめました。

・1月15日10時  天王星の南   0度56分
・1月25日 1時  月の北 3度26分
・2月24日 4時  月の北 3度01分
・3月25日 6時  月の北 2度09分
・4月 3日〜4日  すばるの南 約0.6度
・4月23日19時  月の北 1度28分
・5月21日21時  月の南 0度20分

天体望遠鏡で観測しよう

 金星は地球の内側の軌道を回る内惑星です。そのため金星は大きさや形を大きく変化させて、私たちの目を楽しませてくれます。下の絵は金星の様子を2週間間隔で表示したものです。絵を見ておわかりのように、今年は金星の形や大きさの変化を調べるのに最適な年です。ぜひとも天体望遠鏡を使って金星を観測しましょう。なお、天体望遠鏡をこれから購入しようかお考えの方は、天体望遠鏡の選び方をご覧ください。
 天体望遠鏡を使って観測した金星は、1月頃の金星は小さく丸い形をしていますが、4月頃にかけて次第に半月状に近づきながら、大きさも少しずつ大きくなってきます。そして、5月に入ると三日月のような形になってきて、大きさもグングンと大きくなります。どうして金星はこのように形や大きさを大きく変えるのかは、「みんなで星のお勉強」の中にある金星の満ち欠けを参照してみてください。

金星の形の変化

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男:金星はビーナス。ビーナスは愛の女神のことなんだ。そして、僕のビーナスは君だよ。
女:うっ、うっ、うっとり・・・。

そして、そして、ふたりは・・・。

つる:−−>金星をダシするなどけしからん。てめーら、たたき斬ってやる!
(たたき斬るとは、えらいぶっそうやなあ)
つる:−−>いちいちうるさいぞ。まずお前からたたき斬ってやる!
(ギャー!!)
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皆さんはひとりで黙々と金星を観測しましょう。あ〜、暗〜っ。

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2009年 1月〜3月 金星の満ち欠けを観測しよう