火星が地球へ最接近 2007年12月19日

いよいよ火星が最接近

 じわじわと地球との距離を縮めてきていた火星ですが、いよいよ12月19日に地球へ最接近します。といっても今回の場合、地球と火星の距離は0.5893天文単位で、火星大接近となった2003年の0.3727天文単位と比べると、だいぶ距離が離れた接近となります。それでも今回の接近よりも距離が近い接近となるのは、9年後の2016年のことになってしまいます。また、最接近時の火星の視直径は15.9秒ですが、火星の場合、視直径が10秒を超えると模様が観測できると言われていますので、最接近の前後は観測条件的にまずまずと言えるのではないでしょうか。

地球との最接近の夜に見る火星
火星最接近の夜に見る火星

火星の経路

 下の絵は最接近となる12月19日の前後2ヶ月間にわたる火星の経路です。最接近頃の火星はふたご座の足元付近にいて逆行の動きをしており、年明けとともにおうし座へと移動していきます。

 日にちを開けて火星の位置を観測してみましょう。星座を背景にして、確かに火星が動いていることを確認できますよ。

前後2ヶ月間にわたる火星の経路
火星の経路

光度曲線

 下の絵は半年間にわたる火星の光度曲線です。11月分でも紹介しましたように、火星の光度は12月下旬にピークとなり、その頃の明るさは−1.6等です。ピークを過ぎると火星は次第に暗くなりますが、それでも普通の1等星、もしくはそれ以上の明るさがあることがわかります。おまけに火星は独特の赤色に光りますから、誰が見てもスグに火星だと気づくことでしょう。

火星の光度曲線
12月下旬に明るさのピークとなる火星

12月に見える火星の模様

 下の絵は12月の22時に見える火星の模様を2日間隔で示したものです。11月分の繰り返しになりますが、火星の自転周期は24.6時間ほどですから、地球の自転周期とあまり違いません。ですから、翌日の同じ時刻に火星を観測したとしても、火星の模様にあまり大きな違いはありません。

 22時に見た場合、12月上旬には大シュルティスの濃い模様を確認することができますが、その後は濃い模様が見えなくなってしまいます。

22時に見える火星の模様
22時に見える火星の模様(12月)

今後の火星接近

 下の表は今後50年間に地球と火星が接近する日付と、その距離を示したものです。地球との接近はおよそ2年と2ヶ月の周期で起こることがおわかりいただけると思います。

 それから、前回大接近したのは2003年のことでしたが、次回大接近となるのは15年後の2018年です。その次は17年後の2035年。さらにその次は15年後の2050年です。火星大接近は15年または17年の周期で繰り返されることがわかります。

火星最接近となる日   地球との距離(天文単位)
2003年 8月27日 0.37272
2005年10月30日 0.46406
2007年12月19日 0.58935
2010年 1月28日 0.66398
2014年 4月14日 0.67368
2016年 5月31日 0.50321
2018年 7月31日 0.38496
2020年10月 6日 0.41492
2022年12月 1日 0.54447
2025年 1月12日 0.64228
2027年 2月20日 0.67792
2029年 3月29日 0.64722
2031年 5月12日 0.55336
2033年 7月 5日 0.42302
2035年 9月11日 0.38041
2037年11月11日 0.49358
2039年12月29日 0.61092
2042年 2月 5日 0.67174
2044年 3月14日 0.66708
2046年 4月24日 0.59705
2048年 6月12日 0.47366
2050年 8月15日 0.37405
2052年10月20日 0.44091
2054年12月11日 0.57015
2057年 1月21日 0.65552


つるちゃんのプラネタリウム トップへ戻る 天体観測ガイド2007年へ戻る