倍率といえば天体望遠鏡や双眼鏡の性能を表す言葉のように思われがちですが、それは誤りです。天体望遠鏡の性能は望遠鏡の対物レンズや主鏡の口径によって決まります。
倍率は次の式で計算します。
(倍率) = (対物レンズまたは主鏡の焦点距離) ÷ (接眼レンズの焦点距離)
ですから、接眼レンズの焦点距離を短くしさえすれば、計算上は倍率をいくらでも高くすることができます。
倍率を高くすると視野は狭くなり、扱いづらくなります。観測に慣れてくると視野が広い低倍率を好むようになります(もちろん見る対象にもよりますが)。
倍率を高くすると天体の像の明るさは暗くなります。この意味からも低倍率の方が見やすい場合が多いのです。
天体を観測する場合は有効最高倍率を上回ったり有効最低倍率を下回ったりしないように注意しましょう。