うお座

南の空に高度60度で南中する日時のめやす

10月1日0時、11月1日22時、12月1日20時

うお座の様子(11月・南の空)

うお座の見え方

うお座の見え方

うお座付近の星図

うお座

暗い星で構成された星座

 目をこらしてペガススの四辺形の南から東側をよく見ると、4等星から5等星の小さな星がウネウネとつながっていますが、これがうお座です。うお座は明るい星がなく、3等星すらありません。4等星以下の暗い星ばかりで構成されていますから、田舎の暗い夜空でないと、2匹の魚がひもで結ばれた姿を想像することはできません。しかし空が暗い場所からだと、意外と2匹の魚が浮かび上がり、うお座という名前がつけられた理由がわかります。

2匹の魚の星座

 星座絵では2匹の魚がひもで結ばれた姿が描かれています。これは、愛と美の女神アフロディア(ビーナス)と、その子エロス(キューピッド)が怪物テュホンから逃れるために魚に姿を変えたものだということです。そして、2匹の魚がひもで結ばれているのは、親子の強いきずなを表しているのだそうです。

 ところで、うお座のα星は魚が結ばれたひもの中央付近、ひもがよじれた部分に位置する4等星です。名前はアルレシャといいますが、その意味はアラビア語のロープを意味するアッ・リシャーアに由来しています。

古い星座

 うお座はシュメール時代の紀元前3000年頃に誕生した最も古い星座のひとつです。もちろんトレミーの48星座にも含まれています。

春分点がある星座

 現在はうお座の中に春分点があります。太陽の通り道である天の黄道と、地球の赤道を天に延長した天の赤道の交点が春分点になります。太陽は天の黄道に沿って春分点を通過し、南半球から北半球へと移っていきます。星の位置を表すときに用いられる赤道座標系では春分点方向を基準としています。

 先ほど、「現在はうお座の中に春分点があります」と書きましたが、地球の自転軸が歳差運動と呼ばれる首振り運動をしているため、春分点は年月とともに少しずつ移動しています。このため2620年頃になると、春分点はお隣のみずがめ座へと移ります。