7月1日1時、8月1日23時、9月1日21時
こぎつね座の見え方 |
こぎつね座付近の星図 |
こぎつね座ははくちょう座のすぐ南にある小さな星座です。特に明るい星があるわけでもなく、いるか座のように特徴ある星の配列をしているわけでもなく、忘れられてしまいそうな星座です。最も明るいα星でさえ4.4等星ですから、星座として目立たないのもしかたのないところです。
こぎつね座を星座絵で見ると、ガチョウを口にくわえたキツネの姿が描かれています。こぎつね座はヘベリウスによって設定されましたが、彼自身は「ガチョウをくわえたきつね座」とよんでいました。ヘベリウスによると「近くに鷲(わし座のこと)やハゲ鷹(はくちょう座のこと)があるので、鵞鳥(ガチョウ)を口にくわえた子ギツネはこの位置が似つかわしい」のだそうです。しかし時間の経過とともに、単にこぎつね座とよばれるようになりました。
星座としては今ひとつさえないこぎつね座ですが、こぎつね座を一躍有名にしている天体があります。それは亜鈴星雲(または、あれい星雲、アレイ星雲、あれい状星雲)と呼ばれる大型の惑星状星雲です。明るさも7.6等級と双眼鏡でも楽に見える明るさです。天体望遠鏡でのぞいてみると、「せんべいを両側からかじった」ような独特の形をしています。天体観測をする人なら一度は目にする天体ですから、ぜひとも見ておきたいものです。
光やX線やガンマ線などを規則正しく発する天体はパルサーといいます。この正体は中性子星であり、こぎつね座で1967年に初めて発見されました。中性子星は非常に密度が高い天体で、なんと角砂糖1個の大きさで5億トンにも達するのだそうです。