春のダイヤモンド
春のダイヤモンドの見つけ方
春先に東の空を見上げてみましょう。下の星図は4月1日21時、東の空の例です。まず最初に春の大三角を見つけます。春の大三角はしし座のデネボラ、おとめ座のスピカ、うしかい座のアークトゥルスで形作られています。この3星にりょうけん座の3等星コル・カロリーを加えると、春のダイヤモンドになります。
コル・カロリー
(猟犬カーラ)
りょうけん座は牛飼いにひもでつながれ、大熊(おおぐま座)を追い立ている2匹の猟犬に描かれています。北のアステリオンと南のカーラの名を持つ2匹の猟犬のうち、カーラの首輪に位置するのがコル・カロリーです。コル・カロリーは3等星とあまりさえませんが、付近にはこれといって明るい星がないので結構目立っています。
(コル・カロリーという名)
何やら意味不明な名前ですが、チャールズ王の心臓という意味だそうです。フラムスティードの星図には王冠をかぶったハート型が描かれています。イギリス王のチャールズ2世が王制復古により王位についたのを記念して、後にハレー彗星で有名なエドモンド・ハレーによってコル・カロリーと命名されました。
(2重星)
機会があればコル・カロリーを天体望遠鏡でのぞいてみましょう。白色の2.9等星と紫色の5.4等星が20秒(1秒=3600分の1度)離れて並んだ美しい2重星であることがわかります。
春の星座の目印
春の星座では、春のダイヤモンドの他に春の大三角、春の大曲線が良い目印になります。
その他のダイヤモンド
全天では春のダイヤモンドの他に、冬のダイヤモンドがあります。冬のダイヤモンドと比べると春のダイヤモンドの方が星数が少ない上に、2等星や3等星が含まれるので、少し見劣りがするのは否めません。