コル・カロリはりょうけん座にあります。りょうけん座には特に明るい星があるわけではなく、コル・カロリ以外にはこれといって目立った星もありません。ですからコル・カロリは3等星のくせに、付近では意外に目立っています。北斗七星のあるおおぐま座に隣接する星座なので、北斗七星からたどるとわかりやすいと思います。
星名 | 学名 | 星座 | バイヤー符号 | フラムスティード番号 | 赤経 | 赤緯 | 実視等級 | 絶対等級 | 距離 | スペクトル型 |
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コル・カロリ | Cor Caroli | りょうけん座 | α星 | 12番 | 12h56m02s | +38゜19’06” | 2.88等 | 0.15等 | 115光年 | A0 |
星座絵を見ると、りょうけん座には2匹の猟犬が描かれていますが、特に神話が伝えられているわけではありません。2匹の猟犬はカーラとアステリオンといいますが、コル・カロリはこのうちカーラの首輪の部分にあたります。
星座絵によっては、りょうけん座の付近に心臓の絵が描かれている場合があります。これはコル・カロリの名がチャールズ王の心臓を意味しているためです。清教徒革命で処刑されたチャールズ1世の息子、チャールズ2世が王位についたのを記念して命名されたのだそうです。しかしチャールズ1世の心臓ではないかという説もあり、どの説が正しいのか定かではありません。
しし座のデネボラ、うしかい座のアークトゥルス、おとめ座のスピカの3つの星を結ぶと春の大三角となります。これにコル・カロリを加えると大きな四角形ができあがります。これは春のダイヤモンドとよばれています。コル・カロリが3等星なので他の3つの星と比べると少し見劣りしてしまいますが、形の方はよく整っており、ダイヤモンドを連想するには十分といえます。
コル・カロリは色の対比が美しい二重星として知られています。2.9等星の白色の主星と、紫色をした5.4等星の伴星が、20秒ほどの間隔で並んでいるさまは見事です。小型望遠鏡の良い観測対象ですのでぜひご覧ください。
コル・カロリの主星であるα2星は、強い磁場を持つ恒星として知られています。磁場の強さは太陽の1500倍もあって、主系列星としては非常に強力なものです。強い磁場によって元素が分離されており、これを地球から見ると変光するのだそうです。実際この星は2.84等星から2.94等まで、5.47日の周期でわずかに変光しています。