東北地方

 東北地方では郡山、いわきといった福島県の南東半分だけが金環日食になります。その他の地域では部分日食で終わってしまいます。といっても仙台で92.9%が欠けるなど、太陽の9割前後が欠けてしまうという素晴らしい日食が見られます。概ね北へ行くほど食分が小さくなります。

 下に出てくる県のリンクを選択すると、市町村別の日食時刻表を表示します。

宮城県

 金環帯の北限線は宮城県と福島県の境界よりも南側を通ります。このため宮城県では全エリアで金環日食を見ることができません。しかしながら、県内各地で食分が0.9を超えるような、素晴らしい日食を堪能することができるでしょう。最大食となるのはだいたい7時40分頃で、この時の太陽高度は37度です。

仙台市

仙台で日食が見える位置

仙台の日食・前半

仙台の日食・後半

青森県

 青森県は東北地方の中では金環帯から最も離れた位置にあります。このため他県と比べると、太陽の欠け方がやや小さくなります。それでも青森市の食分は0.877と0.9に迫ります。最大食は7時45分頃で、太陽の位置は真東方向に見えると思っていただいて間違いありません。

青森市

青森の日食・前半

青森の日食・後半

秋田県

 秋田県は金環帯から離れています。秋田市の場合では、金環帯の中心からの距離は290Kmほどあります。このため秋田県の全エリアで金環日食を見ることはできません。県内で最も欠けて見えるのは宮城県との県境付近です。秋田市では90%にせまる89%も欠けた太陽を観察することができます。

 なお、日食計算の相馬充先生の計算によると、月の高い山によって、なんと秋田でもわずかなベイリービーズ状態になるとのことです。実際に観測することができるのか、興味深い話です。

秋田市

秋田の日食・前半

秋田の日食・後半

岩手県

 この日食での金環帯は、宮城県沖から岩手県沖の海上を通っています。このため岩手県では、全てのエリアで部分日食しか見ることができません。県内では南東へ行くほど太陽が大きく欠けます。最も大きく欠けて見えるのは茨城県との県境付近です。といっても見え方にそれほど大きな違いがあるわけではありません。盛岡市では約90%も欠けた太陽を観察することができるでしょう。

盛岡市

盛岡の日食・前半

盛岡の日食・後半

山形県

 山形県では全てのエリアで部分日食しか見られません。県内では南東へ行くほど太陽が大きく欠けます。最も大きく欠けて見えるのは福島県との県境付近になります。最大食の頃には県内の全域で右下側が大きく欠け、食分が0.9以上という近年まれにみる大きな部分日食となります。

山形市

山形の日食・前半

山形の日食・後半

福島県

 福島県では南西から北東にかけて、県を二分するように金環日食の北限線が通ります。したがって、県の南東部では金環日食が見られますが、北西部では大きな部分日食で終わってしまいます。県の南東に位置するいわき市では、4分間にわたって金環日食が見られますし、白河市、田村市、郡山市などでも見ることができます。

 しかしながら、北西に位置する福島市や伊達市、会津若松市や猪苗代湖ではあとわずか届かず、部分日食で終わってしまいます。沿岸部では南相馬市の中心部は金環帯に入りますが、相馬市の中心部は入らず、明暗が分かれます。

福島市

福島の日食・前半

福島の日食・後半


つるちゃんのプラネタリウム 各地の見え方|金環日食2012年