中国地方
中国地方各県での日食の見え方概略です。残念なことに、中国地方で金環日食が見られる地域はありません。それでも岡山で食分が0.928となるなど、ほぼ全域で90%以上も欠ける部分日食を楽しむことができます。食が最大になる時刻は西の方ほど早くなります。といっても、それほど大きな違いがあるわけではなく、例えば下の表で最も早い山口と、最も遅い鳥取との時間差は3分41秒しかありません。
四国地方を東北東に通過していく月の本影は、残念なことに中国地方をかすめることはありません。ですから広島県をはじめとした中国地方の各県では、金環日食を見ることができません。
広島県内では北西部よりも南東部の方が欠け方が大きくなります。しかし下表にある欠け方の図をご覧いただいてもわかりますが、県内どこで見ても大きな差はありません。広島市では太陽よりも少しだけ小さな月が太陽の内側奥深くまで食い込んで、右下側が大きく欠けた太陽を観察することができます。
広島市
2012年の日食による金環帯は、北限線が瀬戸内海対岸の香川県を東北東に進みます。したがって岡山県は金環帯の北側に外れてしまい、部分日食しか見ることができません。しかし、条件が良くない中国地方の中にあっては、岡山県は最も条件が良い県です。岡山市での食分は0.93ということで、あと一息で金環日食になるところでしたが、わずかにおよびません。県内全体的に、7時28分台か29分台に最大食を迎えます。
岡山市
中国地方の他県と同様、鳥取県で金環日食が見られる地点はありません。瀬戸内海側の岡山県と比べると、食の中心線から遠くなる分だけ欠け方もやや浅くなりますが、それほど大きな違いはありません。県内では各地で食分が0.9を超える深い部分日食が見られます。
鳥取市
島根県は中国地方の他県と同様、金環日食を見ることはできません。といっても普段はなかなかお目にかかれないような深い部分日食を見ることができます。県内では北部よりも南部の方が、欠け方がやや大きくなりますが、騒ぐほどの違いはありません。松江市をはじめとして県内のほぼ全域で、食分0.9前後の大きな部分日食となります。
松江市
2012年5月21日の日食では、月の本影の北側部分が九州から四国を通ります。残念ながら山口県はここから外れていますので、金環日食を見ることはできません。それでも県内各地で軒並み食分が0.9を超えますから、めったに見ることができないような大きな日食となります。
県内では見え方に大きな違いはありませんが、日本海側よりも太平洋側の方が、やや欠け方が大きくなります。山口市では7時27分前頃に食分が0.91となり最大食を迎えます。月によって深くえぐられた太陽の姿を観測できるでしょう。
山口市