ケンタウルス座

南の空低くに南中する日時のめやす

4月1日1時、5月1日23時、6月1日21時

ケンタウルス座の見え方

ケンタウルス座の見え方

南半球(シドニー)から見たケンタウルス座の見え方

南半球(シドニー)から見たケンタウルス座の見え方

ケンタウルス座付近の星図

ケンタウルス座

半人半馬の星座

 ケンタウルス座は古代ギリシャ時代にできた星座で、トレミーの48星座のひとつです。ケンタウルス座は上半身が人間で下半身が馬という変わった星座で、フォローという半人半馬(ケンタウロス族)の姿を描いたものです。同じような星座としていて座があります。

 フォローはヘルクレスと仲が良かったのですが、ある時、ヘルクレスの矢を誤って自分の足の上に落としてしまいました。ところがその矢には、ヒドラの猛毒が塗られていたからたまりません。猛毒があっという間に体中にまわって、フォローは死んでしまいました。後にフォローは天へ上げられて星座になったのだそうです。

南に低い星座

 ケンタウルス座は南の空低くに見える星座で、日本からだと上半身しか見ることができません。ケンタウルス座が描くヤリの先にはお隣のおおかみ座があります。また、ケンタウルス座の南側には、南半球で有名な南十字星(みなみじゅうじ座)もひかえています。おとめ座のスピカが南中する少し前頃を見計らって南の低い空に注目すると、2等星から3等星くらいの星がいくつかみつかります。それらの星をていねいにたどると、どうにかケンタウルスの上半身の姿を描くことができるでしょう。

二つの1等星

 ケンタウルス座には二つの1等星があります。一つはα星のリギル・ケンタウルスで、もう一つはβ星のハダルです。二つとも日本からだと沖縄や小笠原諸島あたりの緯度まで南下しないと見ることができません。なお、一つの星座に二つの1等星があるのは、ケンタウルス座以外ではオリオン座みなみじゅうじ座だけしかありません。

最も近い恒星

 ケンタウルス座α星のリギル・ケンタウルスは太陽に最も近い恒星です。その距離は4.4光年もあるのですから、宇宙のスケールの大きさには驚かされます。なお、正確にいうとリギル・ケンタウルスは重星のため、最も近い恒星はお供の星のプロキシマになります。

オメガ星団ω星団(オメガ星団))

 ケンタウルス座の腰のあたりにあるω星は、実は恒星ではなく球状星団です。上の星図ではNGC5139と表示されています。大きさは0.5度以上もあり、明るさも3.7等級と明るく、全天で最大の球状星団です。ただし、東京では南中高度が7度ほどしかありませんので、条件の良いタイミングを逃さないようにしなければなりません。条件さえ整えば双眼鏡でも楕円形に見え、小望遠鏡でも周辺の星が分解します。おとめ座スピカが南中したころを見計らって挑戦してみましょう。