顔を見せ始めた春の星座たち 2002年2月

 2月といえば、つるちゃんの誕生日。でも年はとりたくないので、2月は来てほしくありません。そんなんどうでもええ、知ったこっちゃないって? そりゃそうですよね。こんなところに個人的な話を書くなよって。
 つるちゃんの場合は、寒くて寒くてとても観測どころでないのは、先月に引き続きこの2月についても当てはまります。あと2ヶ月ほどは辛抱が必要です。でもその分ソフトの開発が進んでいいのかもしれません。

2月の南の空

 まず南の空を見てみましょう。冬の星座たちがきらびやかに輝いています。おうし座は早くも西の空へ傾いてきました。すばるも高度が50度付近まで下がってきています。また、土星はヒアデス星団付近にいて、1等星アルデバランとの競演を楽しんでいるかのようです。土星は今後4月くらいまでの間はこの付近であまり動かずにじっとしています。
 真南方向では冬の大三角がちょうど南中しています。時間から考えて、この時期が冬の大三角の一番の見頃ではないでしょうか。また、この絵には入っていませんが、天頂方向にあるふたご座には木星が一番の輝星として光っています。
 今度は視線をぐっと地平線付近にまで下げてみましょう。先月紹介したカノープスが南の空低くに見えています。まだ見ていない人は「カノープスを見つけよう」のページを参照してください。
 

2月の東の空

 次に東の空を見てみましょう。外はこんなに寒いのに、2月中旬の21時にもなると東の空からは早くも春の星座が姿を見せ始めます。

かに座

 春の星座のトップバッターはかに座です。冬の星座のしんがりであるふたご座のすぐ東隣に位置していますので、当然かもしれません。かに座は黄道12星座のひとつに数えられているので、有名な星座のひとつですが、明るい星が少なくて形もイマイチはっきりしません。上の絵では南南東の空、高度60度付近に見えています。
 それでもかに座を一躍有名にしている天体があります。それは蜂の巣を意味したプレセペ星団(M44)です。プレセペ星団は非常に明るくて大きな星団で、空が暗い場所でこの付近を見ると、雲のような光の塊ががボーッと見えています。上の絵では星座名の「かに」が表示されている付近です。でも肉眼では星に分解するまでには至りません。しかし、双眼鏡でもあれば数十個の星が見えてきて大迫力です。一度は見ておきたい天体のひとつです。

うみへび座

 かに座の下あたりから南東の空に上下方向に星がウネウネと連なっている部分がありますが、これがうみへび座です。目印はうみへびの心臓部に位置した2等星のアルファードでしょう。付近には明るい星が少なくて、結構目立っていますからあまり迷わないと思います。うみへび座は全天で最も大きな星座で、頭からしっぽまで全部が東の空から上がりきるのに7時間もかかってしまうんですよ。さすがはギリシャ神話の英雄ヘルクレスを苦しめただけのことはありますね。

しし座

 2001年11月に世間を騒がせたしし座流星群の輻射点のある星座が、まさにこのしし座です。しし座はヘルクレスによって退治されたお化け獅子とされています。
 しし座を探すには1等星レグルスを目印にするとよいでしょう。この時期と時間なら、東の方角で高度30度くらいのところに光っています。そこから?マークを裏返したような星の配列がすぐ見つかるかと思いますが、これはししの大がまと呼ばれています。ししのしっぽの星は2等星のデネボラですが、こちらは春の大三角を構成する一員となっています。しかし、残りの2星を見るにはまだ少し時期が早いようです。なんといってもまだ2月ですからね。

おおぐま座

 今度は北東の方角に目をやってみましょう。かの有名な北斗七星が昇ってきています。北斗七星を含んだおおぐま座は一般には春の星座に分類されていますが、意外と早い時期から見えていますね。北斗七星から北極星をたどる方法は有名ですが、春の大曲線の出発点もこの北斗七星になります。また、昔目試しに使われた2重星ミザールや、多くの星雲もあり、何かと話題が尽きない星座のひとつです。